医者「彼女さんが起きられました。」

男「…はい。」

男、立ち上がって医者の後ろを着いていく。

医者「どうぞ。」

男「…はい。………おい、女。」

女「…あら、誰かしら？あなた、だあれ？」

男「俺は男。今なぜお前がここにいるのか分かるか？」

女「分かるわよ。パージ症候群で私は記憶を失ったのね。」

男「ああ。俺は、記憶を失う前のお前の恋人だ。」

女「こい、びと…ねえ…」

女は少し考える。

男「分からなくてもいい。とりあえず、記憶を失う前のお前に頼まれてるんだ。記憶を失ったお前のことも愛してやってくれって。」

女「…」

男「とりあえず、帰ろうか。腹減ってるだろうし、退院して飯にでも」

男、そう言いながら女に手を伸ばす。

女「触らないでちょうだい。」

男「！？」

女「誰がアンタのことを恋人だって認めたと思ってんの？アンタみたいな平凡で特に芸もない人、誰が好きになるもんですか。」

男「お、んな…？」

女「先生、私退院するわ。手続きお願いできる？」